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<盧武鉉大統領>「竹島」挑発に断固対応 テレビで特別談話 【ソウル25日共同】韓国の盧武鉉(ノムヒョン)大統領は25日午前、日韓関係に関する特別談話を発表し、日韓が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)問題に関する対応について「全面的に再検討する」と言明、歴史認識問題とともに「どんな犠牲があっても妥協しない」と語り、一層の強硬姿勢で対日政策を進める方針を示した。青瓦台(大統領官邸)などは談話を今後の対日政策の指針と位置付けており、冷却局面の続く日韓関係が一層冷え込むのは避けられない状況だ。 今朝出勤前に眺めていた朝刊で、週刊文春と週刊新潮の広告を見た。はかったように、どちらも今回の対応を批判するベクトルの記事を載せているようだ。 今回の事件は、まさにチキンレースであった。形としては日本がさきにブレーキをかけたことになるわけで、その意味では日本の負けである。それは疑いない。 では、もっとさかのぼって、勝つ見込みのあるチキンレースだったのか? 答えはNOである。負けることがわかっている勝負だった。その意味では「何を今さら」である。ましてや、この種の問題で、次官を協議に派遣するのに官邸の了承を得ていないはずがない。記事の具体的内容はともかく、「『官邸』の怒り」といった見出しから感じ取れる限りでの新潮の記事は笑止であろう。 弱腰外交、と批判するのは易しい。だが、何故弱腰にならざるを得ないのか、その背景に思いをいたせば、外務省を責めてそれで終わる問題でないことはすぐにわかる。この点、マスコミを中心とした「スケープゴート体質」の犠牲になる外務省は、ちょっと気の毒といえないでもない。 過去領土紛争から武力衝突に発展した例がヤマほどあることは、多少でも歴史をかじればすぐにわかるだろう。領土紛争とはそういうものなのだ。国境画定の問題は、ほかの外交関係とは完全に別次元で存在する。良好な関係だから譲る、譲られる、というものではないのだ。そして、それぞれが自らの主張の正当性を譲らない、譲り得ないからこそ、領土紛争になる。これが何を意味するかというと、今回の事例で言えば、 ①Aは自己の領土内の調査として行動を起こす。 ②Bは自己の領土に対する侵犯行為として、引き返すよう警告する。 ③Aにはいわれのない警告で、引き返さない(引き返すことが許されない)。 ④Bは警告に従わない侵犯者に武力行使を開始する(せざるをえない)。 ⑤AはBの不当な武力行使に対して報復を開始する(せざるをえない)。 なお、括弧書きの部分は、当事者の内心である。領土紛争の最終局面は、このようなプロセスで不可避的に武力衝突になっていく。最後の分岐点は③である。今回、日本は引き返した。だから、負けである。 では、③における行動を分けるものは何か。国民の覚悟である。今回、違う対応をとったとして、前線で実際に血が流れたとき、わたしは、今の日本では調査の強行を批判する小さからぬ声が必ず起きると思う。また、これまでの対応についても、日本は撃たれなければ撃ち返せない(これでもギリギリの憲法解釈だ)。日本と韓国の立場を入れ替えても、日本は④のプロセスに移行し得ない。だから、韓国は平然と入ってくる。撃ちさえしなければ、韓国の行動を実力で阻止するものは存在しないのだから。 今回の例で、「竹島を守る」という一般論に異を唱える人は少なかったろう。だが、そのうちのどれだけが「血を流してもやむを得ない」という信念を持っていたか。こちらから撃てない以上、血は必ず流れるのだ。韓国は血を流す覚悟を持っていた。そして、相手に血を流させる能力も覚悟もあった。勝負ははじめから明らかだったのである。そして、手足を縛られたまま最後の交渉に放り込まれた外務省「だけ」を責めてよしとしてしまうことは(責めるな、というのではない)、結局問題の本質から目をそらすことにしかならない。政策は価値判断と利益衡量である。今回天秤に乗ったのは、「血を流すという結果が国民にどう受け止められるか」と「問題を先送りにするだけの行為への批判」である。今の日本では、どちらをとるかは明白だろう。
by ka-takeuchi
| 2006-04-26 20:20
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