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「心一つに」と協力約束 米大統領が早紀江さんに 【ワシントン28日共同】北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの母、早紀江さん(70)は28日、ブッシュ米大統領との面会後にワシントン市内で記者会見し、大統領が「心を一つにして頑張ろう」と拉致問題解決への協力を約束してくれたと語った。 はっきりくっきり国境が存在する現代では、どんな国の政府も国益の最大化という制約にがんじがらめに縛られている。本当に他の国のことを思いやる政府など存在しない。ひとつひとつの行動は、そうすることが国益にとってプラスだから実行に移される。それが、近代国家システムにおける政府の義務だから、やむを得ない。経済協力などでなぜNGOの存在が重視されるかといえば、NGOがこういう「国益の追求」という制約から自由であるためである。真の「地球益」を考えられるNGO、NPOが増え、国家に対しても大きな(無視し得ない、という程度ではない)影響力を行使できるようになるまでは、近代国家システムは健在であり続ける。どこか1か国が他国のことを本当に思いやって行動したとしても、いまの状況では食いつぶされて終わりだからだ。他の国も同じように行動する、と信じるにたる状況にならなければ、そういう行動はとれない。 この場合のブッシュ大統領の行動も、この枠内で考えなければならない。どんなに優しい言葉をかけるのもタダだ。正反対のベクトルの行動をとる必要があるならともかく、北朝鮮の人権状況に対する批判に拉致問題を含めることは、これまでの米の人権政策の延長線上にあるから、なんら新しい要素を付け加えずにすむ。そして、ひょっとしたら第三国に対するデモンストレーションの新しい材料になる。最近ちょっと波が見えつつある日本の対米感情に対する鎮静剤となるかもしれない。被害者家族を温かく迎えない理由が存在しないのだ。 だが、拉致問題自体は米国にとって何の重みも痛みも伴わない。よって、状況が変われば、態度を急変させる可能性は常にある。たとえば、今、北朝鮮の核問題については、米が二国間の交渉に入って北朝鮮の体制と安全を保障することが、北朝鮮が核を放棄する条件となっている。ここで、北朝鮮が「米が拉致問題を無視してくれれば、核放棄の交渉のテーブルにはほかの前提条件なしでつく」と米に言ったとしよう。米としては、自分のカードを何も切らないで北朝鮮に一歩譲歩させることができる。この場合、米は拉致問題を切り捨てることに何のためらいも見せないだろう。 国際社会に訴えるのは無駄だとは思わない。だが、米をはじめとする国際社会の現状は、この程度のものだ、と覚悟しておくことも必要である。国際世論に非西欧市民である日本人が訴えてなにかを勝ち取ろうとするのは、実はものすごく長い道のりなのだ。決して解決を目に見えてはやめることはないだろう。 これは、相手がブッシュ大統領だから、とか、米国だから、とかいうことではない。いまの国際政治が、未だその段階にある、というだけである。
by ka-takeuchi
| 2006-04-29 23:12
| 国際
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